こんばんは。
ツイッターで出てきた情報なのですが、来年の時期未定にイギリス・ロンドンからドーバー海峡を渡り、フランス・パリやベルギー・ブリュッセルなどとを結ぶユーロスターと、ブリュッセルを中心にオランダ・アムステルダムやパリ、ドイツ・ケルンなどとを結ぶタリスが合併するようです。

【何故今なのか?】
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具体的な数字は、分かりませんが、両社共にコロナウイルスにより、ヨーロッパ各地への国際移動も制限されている関係もあって利用が低迷しているようです。タリスは、特別運賃を開発するほどです。ユーロスターは、タリスにようにイギリス国内各地へのアクセスはなく、ロンドン・セントパンクラスとパリやブリュッセルとを結ぶ国際列車だけの列車です。イギリス国内では、ケント州の2駅が停車駅にあり、一部列車も停車します。しかし、同じ区間でClass395の普通列車が頻繁に運転しているのと、確かイギリス国内だけの乗車は出来ないはずなのでケント州からロンドンへの通勤需要も見込めません。なので、コロナで制限されている地域へ向かうだけなのでタリス以上に利用が低迷しています。昨年から話が持ち上がっていたので、この機会に合併になったのかと推測します。

【気になる問題】
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 ↑ロンドンの車両基地に向かうユーロスターの回送

やはり気になるのは、ブランドと車両のメンテナンス、タリスのイギリス乗り入れ、ユーロスターのドイツ乗り入れですよね。
まずブランドは、両社のブランドのそのまま使用し、日本で言うホールディングスみたいな会社を筆頭に列車の運行を続けると思います。例としては、関西の阪神と阪急で、2006年に合併し、同じ会社になりました。しかし、列車に関してはそのままのブランドで今も運行を続けています。ただ、これは日本の事例で、ヨーロッパのしかも国際列車での問題であるので、どうなるかは分かりません。もしかするとどちらかのブランドに統一になる可能性もあります。
次に車両のメンテナンスについてです。これまで通りにユーロスターはロンドン、タリスはベルギーでメンテンスを行うと思います。
次にタリスのイギリス乗り入れについてです。タリスは、自国のベルギーだけではなく、フランス、ドイツ、オランダの信号システムに対応しています。しかし、イギリスの信号システムや保安装置などを搭載すると更に改造しなければなりません。多額の費用と試運転の問題からベルギー、イギリス政府共に簡単には頷かないでしょう。なので、タリスのイギリス乗り入れが実現する可能性は低いと思います。
最後にユーロスターのドイツ乗り入れです。この話は、大分前から存在し、実際にドイツのICEがロンドンまで乗り入れました。開業時から活躍してきたClass373の一部置き換えにドイツシーメンス製のICE3をベースにしたClass374が導入されました。なので、ドイツの信号システム、保安装置の搭載と試運転さえ実現出来れば、ドイツ国内への乗り入れは出来ると思います。ドイツとイギリスとの出入国問題と4時間の壁が長年立ちはだかる課題であったので、タリスとの合併で話が更に進むものと思います。

【合併後】
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合併後は、両社のネットワークが更に強化されると思います。現在ユーロスターは、定期列車としてロンドン~パリ、ブリュッセル、2018年からのアムステルダム、季節臨時としてディズニーランドなどの列車で運行されています。タリスは、パリ~ベルギー各地、アムステルダム、ケルンなどとを結んでいます。先ほども述べましたが、タリスのイギリス乗り入れは厳しいと思いますが、ユーロスターのベルギー各地への運行が開始されそうです。そうなれば、イギリスからベルギー各地へのアクセスがしやすくなりますね。あとは、パリやブリュッセルなどでの乗り継ぎの改善も図られると思います。そして、気になる運賃は、これまで別会社の列車として扱っていたものが統一されるので買う時の手間が省かれると思います。どちらもTGVタイプを今も使っているので、大陸側での間合い運用とかも実現しそうですね。

色々と気になることがあるユーロスターとタリスの合併、どうなるか気になりますよね。個人的には、やはり長年親しんできたタリスとユーロスターの名前が消えるのではないかと言う事と、ユーロスターのドイツ乗り入れの実現が気になります。続報に期待して終わりにします。